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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
初めて受けた胸への接吻に、泉夏の背はベッドから浮いた。
温かで濡れたものが突起に触れ、そこを小刻みに突(つつ)く。
その動きに追従する如く、彼女の身体はびくびく震える。
敏感な粒を舌先に弄ばれ、泉夏はその快感に酔い痴れる。
「はあ…んっ…あっ」
絶え絶えに啼きながら、彼の愛撫に身を任せていれば、新たな刺激を与えられる。
乳輪に沿うように濡れた舌先が大きく円を描き、その淫らな描写の仕上げに、すっかり勃ち上がっていた先端を吸われた。
脳天まで突き抜けた心地良さに、悲鳴にも似た声が上がる。
繋がれたままの手を、強く握り返す。
快楽の海へ堕ち、そのまま溺れてしまわないように、彼の手を拠り所にして必死に縋る。
「せん…せっ」
懇願したいのに。
その口から出るのは、意味を成さないふしだらなものだけだった。
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