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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
自分を悩ませる艶めかしい裸体から視線を外せば、ベッドサイドのデジタル時計が目に入る。
刹那。
現実に戻った思考が、時間を気にする。
四時過ぎ-ふたりに残された時を冷静に計算していれば、自分の意思とは無関係なところで下半身が動いた。
自分の下にいる彼女が微かに腰を揺らしたようで、互いが結合している故に、自らの身体も同調されたのだった。
彼女に目線を戻し、秀王は息を呑む。
不安そうであり。
不満そうだった。
そして自分を催促する、雌の両眼。
どうしてと。
まだだと。
もっとだと。
自分を非難し、再開を促す、媚びたその瞳。
凶暴になる一方の自分の分身を、どうにか宥めすかしたばかりなのに。
背筋をぞくぞくするものが伝い。
昂ぶる心の赴くままに、秀王は彼女を欲する。
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