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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
きつく身体を抱き締めて、硬く熱い肉の塊を子宮に向けて打ち込む。
深い律動が、狂おしいまでの快感を生む。
甘美な啼き声とベッドの軋む音が交互に響く中。
興奮と激しい動きに呼吸を荒くしながら、秀王は囁く。
「泉夏…気持ちいい?」
意識が半分飛んでいそうな顔で悶えていた泉夏だったが、その質問には明確に答える。
「…しらない」
意外なひとことに、速まりつつあった秀王の動きが止む。
「もしかして…痛かったりする?」
誘われていると思ったのは-気のせい?
自分の願望がそう錯覚させただけ?
単なる、勘違い?
確かに本格的に開始してからは、一度も気遣いの言葉をかけてなかった気がする-いや、かけていなかった。
実は、無理をさせていたのだろうか-?
少し心配になれば、素っ気なく言い捨てられる。
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