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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
やがて絡み合う、ふたりの瞳。
鏡を通して繋がる、ふたりの双眸。
何度だって、どきどきする。
何度だって、どきどきさせられる。
あなたに見詰められて、平常心を保てる日なんて-きっと、永遠に来ない。
振り返るまでに心の準備は必須。
深呼吸を一回した頃、後ろから声をかけられた。
「いつだって泉夏はかわいい。そんなに念入りに確認する必要なんて、少しもないのに?」
「…今日は特別な日だから。いつもよりもかわいくないとだめなの」
「特別…それはそうかもしれない」
泉夏はその一言に、ようやく振り返った。
待っていて欲しいと言ってくれたから。
待っていると言ったから。
ずっと、今日のこの日を待ち望んでいた。
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