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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
『今夜は特別な夜だから、気持ちが昂ぶってる。感情や行動を、上手くコントロール出来てない自分がいる』

確かにそう言われてはいたけれど。
でも、ほんとにそれだけなんだろうか。
明日になれば、またいつも通りの彼に戻ってる?
さり気なさを装って彼を恐々見れば、おかしそうに口角を上げられた。
何もかもを見透かしているその顔は-とっても悔しい。
「今日だけじゃなく、きっと明日もそうやって意地悪を-」
-する。
騒ぎかけた泉夏の身体は、不意に抱き起された。
自分の置かれた状況を理解した時には、既に向かい合い、彼を跨いで座っていた。
こういう形での行為自体は初めてではないし、今更恥ずかしがる事もないのだが。
でも体勢が変わると、なんとなく平静ではいられない。
しかし、ふたりの繋がりは解かれる事なく継続されていたので、より下から突き上げられる形となり、泉夏はすぐさま彼に両手を回した。
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