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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
春の嵐の如く、激しい求めに何度も応じた果て。
ようやくその肉体を解放してもらえた。
寝台の上に敷かれたシーツは波打ち、乱れ、情事の激しさを物語っている。
大きな倦怠感を感じつつ、ようやく自由になった自らの裸体を、白い波の上にゆったりと横たえた。
ベッドを綺麗に整えたい。
シャワーを浴びたい。
化粧を落とさないと肌に悪いし。
コンタクトを外さないと、そろそろほんとに目もやばそう。
寝る前に、いくつもやらなきゃいけない事はあった。
ベッドサイドの時計を見れは、いつしか夜中の十二時過ぎ。
一体いつから始めたのか-疲労と睡魔に支配されつつある頭では、最早思考も働かない。
曖昧だったが-相当時間が経っているのは確かだった。
そして相当、ほんとに疲れてる。
浴室から微かに聞こえる水音が眠気を誘発し、泉夏は完全に意識を失った。







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