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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「…四月から、綺麗で可愛い女子大生がいても、講義中に見惚れないでね」
「俺が綺麗で可愛いと思う女子大生は、ひとりしかいない」
「…もしも誰かに何か言われたとしても、ちゃんと断ってね」
「何を?」
「だからその…『好き』とか、なんとかっ?」
「誰にも言われないよ。有り得ない」
愉快そうに喉を鳴らされて、泉夏は弾かれたように大声を出してしまう。
「こういう事に先生は鈍感だから、すぐに気付かないだけっ」
苦笑いするしかない彼を更に追い込むべく、泉夏は捲(まく)し立てる。
「先生は自分で思ってる以上にかっこいいんだから、少しは自覚して-」
続きの言葉は掻き消された。
唇を啄(ついば)まれ、そのまま深く口付けられる。
挿入された舌にゆっくりと口内を愛撫され、甘い吐息が漏れる。
眠気など完全に吹き飛び-それどころかまたしても、身体は疼いてきてしまう。
唾液の微かな音を立て、ようやく自分から離れた唇が言を発する。
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