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第16章 永劫の春

「『絶対にならない』って、どうして分かるの？『物事に絶対はない』って言ったのは泉夏だ」
揶揄され、泉夏は赤面する。
それは彼に限っての事だ。
だって自分は彼と違って－泉夏よりも、秀王の話の続きが早かった。
「それは泉夏を信用してなかったとか、そういう事じゃなく。やっぱり距離があり過ぎると思っていたし…何より俺の彼女は可愛いから。誰の目から見たってそうだと思うから、周りが放って置かないだろうって。百歩譲ってそうじゃないって泉夏が言っても、でも俺の目にはそう映ってる。だから堪らなく心配だった」
「…だから平気で、そういう恥ずかしい事」
－いつも言わないで。
事あるごとに『可愛い』なんて言うけど－いや、言ってくれるけど。
貶（けな）されるよりかはよほどいいけど。
彼と他人の目には大きな開きがあるに決まってるのに、毎回、真剣に訴えられて－くすぐったいったらない。