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桜の季節が巡っても
第16章 永劫の春
「泉夏が望んでくれる限り、ずっと」
「何回春が巡っても?」
「泉夏が望むなら、何回でも」
「…秀が、もしも平気なら。毎年一緒に桜の花が見たい。ほんの少しの時間でいいから」
「泉夏と一緒なら、平気だ」
彼女の頬を伝う涙を拭い、秀王は微笑んだ。
「好きだよ、泉夏」
「知ってる」
「大好きだよ、泉夏」
「知ってる」
「愛してるよ、泉夏」
「知ってる、全部!」
泉夏は笑う。
「好きだよ、秀」
「知ってる」
「大好きだよ、秀」
「知ってる」
「愛してるよ、秀」
返答の代わりに秀王は、泉夏の細い腰を抱き寄せた。
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