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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
「さっき泉夏ちゃんが歩いて行くのを、偶然窓から見かけて。お出かけかな?って思ったけど、バッグも持ってなさそうだったから、すぐに戻って来るかなって。二階からずっと見張ってたの~」
見張り-泉夏は相変わらずふわふわしてる彼女を前に、苦笑した。
泉夏は通されたリビングのソファに、彼女と向かい合って座っていた。
「昨日家に来たお客様が、沢山持って来て下さったのよ。とっても美味しんだけど、私一人じゃとても食べきれなくて-」
テーブルの上に、苺のケーキと紅茶。
お裾分けするから持って帰って、お家で絢子さんと涼君とも食べてね-軽く小首を傾げ、微笑まれた。
「うわ。これ、駅前に新しく開店したとこのケーキだよね。食べてみたいって思ってたの!」
少し前まで沈んでいたテンションが、現金なもので一気に上がる。
「流石泉夏ちゃん!そうなのよ~、オープンしたてのあのケーキ屋さんのなのよ。予想通りとっても美味しかったから、是非食べてみて」
勧められ、早速一口。
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