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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
正月三が日でまだ休みの飲食店も多いせいか、お昼ご飯の時間帯は微妙に過ぎた頃だったが、店内は満席だった。
待つという行為が人一倍嫌いな龍貴はそこでまた機嫌を損ねかけたが、ふたりだった事もあり程なく小さなテーブルに通された。
右隣りは男子学生五、六人のグループらしく、かなり騒がしく歓談している。
いつもの龍貴なら大人の寛大な心でやり過ごすのだが、空腹に加え多少待たされたのと共に、
「本日は一日全席禁煙です」
席に案内される際に通達されていたので、許容範囲がかなり狭まっていた。
「うるせーなあ」
ちっ、と舌打ちする。
「ちょっと、聞こえるじゃん」
泉夏は慌てて窘める。
しかし、
「聞こえるように言ってんだよ」
あっさり返され、嘆息するしかない。
待つという行為が人一倍嫌いな龍貴はそこでまた機嫌を損ねかけたが、ふたりだった事もあり程なく小さなテーブルに通された。
右隣りは男子学生五、六人のグループらしく、かなり騒がしく歓談している。
いつもの龍貴なら大人の寛大な心でやり過ごすのだが、空腹に加え多少待たされたのと共に、
「本日は一日全席禁煙です」
席に案内される際に通達されていたので、許容範囲がかなり狭まっていた。
「うるせーなあ」
ちっ、と舌打ちする。
「ちょっと、聞こえるじゃん」
泉夏は慌てて窘める。
しかし、
「聞こえるように言ってんだよ」
あっさり返され、嘆息するしかない。

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