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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
「先生-」
今年最後の質問が終わり。
泉夏は意を決して声をかけた。
秀王がこちら側を向いた。
「勉強の事以外で、ふたつ質問があります…だめですか?」
俯いて、問う。
返事は-ない。
「だめですか…?」
答えは当然のように、返ってこない。
「…済みません」
居たたまれずノートを閉じ、お辞儀をして、その場を去ろうとする。
「…どんな?」
泉夏に、耳を疑うような言葉が届いた。
「ふたつの質問は…どんな?」
身の周りを整理しながら、秀王は繰り返した。