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桜の季節が巡っても
第5章 別離の春
嘘つき。
嘘つき。
嘘つき!
また勉強を教えてくれるって、あなた笑っていたじゃない。
守れない約束で私を縛って。
私の心を奪ったままで。
私を恋の鎖で繋いだままで。
どこに勝手に行ったって言うの?
こんな身勝手なひとを、私は一年間もずっと好きだったの?
こんなに酷いひとだと知ってたのなら、最初から好きになんかなってやらなかった。
大学の中でしか逢えない、ひと。
大学の中でしか話せない、ひと。
分かり易かったあなたの講義の中から毎回必死に質問を探し、その延長ですら声をかける事が憚れた、ひと。
精一杯の勇気を出しても秘密主義で、全てを教えてくれはしなかった、ひと。
嘘つき。
嘘つき!
また勉強を教えてくれるって、あなた笑っていたじゃない。
守れない約束で私を縛って。
私の心を奪ったままで。
私を恋の鎖で繋いだままで。
どこに勝手に行ったって言うの?
こんな身勝手なひとを、私は一年間もずっと好きだったの?
こんなに酷いひとだと知ってたのなら、最初から好きになんかなってやらなかった。
大学の中でしか逢えない、ひと。
大学の中でしか話せない、ひと。
分かり易かったあなたの講義の中から毎回必死に質問を探し、その延長ですら声をかける事が憚れた、ひと。
精一杯の勇気を出しても秘密主義で、全てを教えてくれはしなかった、ひと。

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