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桜の季節が巡っても
第5章 別離の春
それから5日間。
朝から夕方まで大学内を探したが-彼に逢う事は叶わなかった。
試験前の講義が、あなたに逢えた最後の日になってしまった。
ノートに花丸を貰って泣く程嬉しかったあの日。
後期試験も私、頑張ったのに。
あなたまたS評価をつけてくれていたじゃない。
褒めて欲しくて一生懸命やったのに。
あなたがいないのなら私、なんの為に頑張ったの?
いなくなるのが分かっていたのなら、最初から頑張らなかった。
いなくなるのが分かっていたのなら、怒られたってもっとずっと、あなたを見ていた。
いなくなるのが分かっていたのなら、もっともっと話したい事は沢山あったのに。
いなくなるのが分かっていたのなら-行かないでと言えたのに。
いなくなるのが分かっていたのなら、私あなたに、好きって-。
どんなに泣き叫んだって、もうあなたがいない事に変わりはない。
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