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桜の季節が巡っても
第5章 別離の春
「もう葉桜になっちゃったね-」
麻衣が頭上を見上げて言った。
「綺麗に咲いてる期間って、なんだかんだで短いよねぇ」
パックのジュースにストローを差しながら、麻衣は呟く。
「でもその儚さが桜の花ってまた良かったりしない?…あ、ごめん」
『儚い』だなんて、まずい事を言ってしまった-麻衣の顔に書いてある。
桜の木の下、小さなベンチに並んで腰かけていた泉夏は、笑って首を振った。
「そんなに気を遣わないで大丈夫だよ。これでもだいぶ元気になったでしょう、私」
肘置きについていた頬杖を解き、鞄からお弁当箱を取り出す。
今朝早起きして、自分で昼食用に作ってきた物だ。
「ご飯も段々食べれるようになってきたしね」
言って、膝の上で弁当箱の蓋を取る。
「形ある物はいつかは必ずなくなる。この桜の花も出来る事ならずっと見ていたかったけども、何れは散ってしまうのは最初から分かってる事。すぐに散ってしまうからこそ、一生懸命咲き誇ってるんだよね。だから最後の一片(ひとひら)がなくなってしまう瞬間まで、儚いけども綺麗なんだよ、きっと-」
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