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桜の季節が巡っても
第6章 落涙の夏
もうどれくらいこうしているのか。
今度の涙はなかなか治まってくれなかった。
ずっと我慢していた色んな感情が、止めどなく溢れてくる。
顔はもう汚いどころじゃなく-涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
持参したハンカチで涙を押え、鞄に入っていたポケットティッシュで洟をかんでいたが、それもやがて尽きてしまった。
次は何で拭いたらいいのだろう-思案していたところ、横からティッシュの箱を差し出された。
「もし、良ければ」
運転席に座る秀王に言われ、泉夏は遠慮なく箱ごと受け取った。
程良くエアコンの効いた車内に、彼女の哀し気な声と洟を啜る音が再び響く。
図書館は私語厳禁。
館内で突然泣き出した泉夏だったが、彼に外に連れ出され一度はどうにか止んだのだが。
また激しく涙する事態となった為、仕方なく秀王は再び彼女の手を取り、駐車場に停めてあった自らの愛車の助手席に乗せた。
日差しの強い中。
しかも建物の入り口付近で泣かれると、人目もあり大いに困る故に。
今度の涙はなかなか治まってくれなかった。
ずっと我慢していた色んな感情が、止めどなく溢れてくる。
顔はもう汚いどころじゃなく-涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。
持参したハンカチで涙を押え、鞄に入っていたポケットティッシュで洟をかんでいたが、それもやがて尽きてしまった。
次は何で拭いたらいいのだろう-思案していたところ、横からティッシュの箱を差し出された。
「もし、良ければ」
運転席に座る秀王に言われ、泉夏は遠慮なく箱ごと受け取った。
程良くエアコンの効いた車内に、彼女の哀し気な声と洟を啜る音が再び響く。
図書館は私語厳禁。
館内で突然泣き出した泉夏だったが、彼に外に連れ出され一度はどうにか止んだのだが。
また激しく涙する事態となった為、仕方なく秀王は再び彼女の手を取り、駐車場に停めてあった自らの愛車の助手席に乗せた。
日差しの強い中。
しかも建物の入り口付近で泣かれると、人目もあり大いに困る故に。

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