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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「髪、どうしたの?」
開口一番、お互いに叫んだ。
龍貴は玄関口でまじまじと泉夏の顔を眺めながら、呟いた。
「…よく言う、失恋でってやつ?」
更に彼女の頭のてっぺんから爪先まで一通り見終えての感想を、正直に述べる。
「なんか暫く見ないうちに、随分やつれてない?」
「…」
会って早々指摘される事がことごとく当たっているので、泉夏は返す言葉がない。
そっぽを向き、押し黙る。
「伊東君ともうだめになったの?早くね?」
しかし次の龍貴の台詞に、泉夏は脱力する。
「違う!」
泉夏は勢いついて龍貴に向き直る。
肩上で切り揃えられた髪の毛が、激しく揺れる。
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