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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「泉夏、今日は結構食欲あるんじゃない?」
大学の食堂で、隣りにいた麻衣が声をかけてきた。
自分で作ってきたお弁当を食べ終え、売店で買い足したプリンを紙スプーンで掬おうとしていた泉夏は、手の動きを中断した。
「…私も自分でびっくりしてるんだよね」
泉夏は麻衣に呟いた。
昨日の夕飯に焼肉だと言われた時は、まじ勘弁して下さいと切に願ったが、店に行ったら行ったで結構食べられてしまった。
着いて早々龍貴に次々勝手に注文され、テーブルにずらりと並んだ皿を見た時には、もうそれだけでお腹いっぱいになったものだが、なんだかんだで食べられた自分を自分が一番驚いてたりする。
そもそも普段は滅多に行けない高級店だったから、とっても美味しかったのも大きい。
頼んだ割に、龍貴もそう食べるわけでもなく。
『注文し過ぎたんじゃない…?』
『勿体ないと思うなら食べろ。御馳走になるんだから残したりしたら悪いと思うなら、無理してでも全部食え』
恐々尋ねれば、脅された。
大学の食堂で、隣りにいた麻衣が声をかけてきた。
自分で作ってきたお弁当を食べ終え、売店で買い足したプリンを紙スプーンで掬おうとしていた泉夏は、手の動きを中断した。
「…私も自分でびっくりしてるんだよね」
泉夏は麻衣に呟いた。
昨日の夕飯に焼肉だと言われた時は、まじ勘弁して下さいと切に願ったが、店に行ったら行ったで結構食べられてしまった。
着いて早々龍貴に次々勝手に注文され、テーブルにずらりと並んだ皿を見た時には、もうそれだけでお腹いっぱいになったものだが、なんだかんだで食べられた自分を自分が一番驚いてたりする。
そもそも普段は滅多に行けない高級店だったから、とっても美味しかったのも大きい。
頼んだ割に、龍貴もそう食べるわけでもなく。
『注文し過ぎたんじゃない…?』
『勿体ないと思うなら食べろ。御馳走になるんだから残したりしたら悪いと思うなら、無理してでも全部食え』
恐々尋ねれば、脅された。

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