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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
駅前のスタバで買ったティーラテを片手に歩道を進んでいると、着信音が鳴った。
交通量が多い場所だし、最初は勘違いかなと思った。
しかし再度耳に確かに届き、泉夏は鞄の中を急いで探った。
立ち止まり、アイフォンの画面を見る。
表示されている発信者名に少しだけ驚き。
数秒躊躇い。
そして、通話ボタンに触れた。
「…もしもし」
「…流川?」
いつもとはちょっとだけ違って聞こえる、スマホを通した彼の声。
「伊東君…?」
画面表示。
声音の感じ。
自分を苗字で呼ぶーわざわざ確認するまでもないのだが、念の為。
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