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桜の季節が巡っても
第7章 傷心の秋
「お兄さんにはまた、御馳走になっちゃったね」
駅方面に向かって歩いてる途中、大樹が昨夜の話をし始めた。
自分がお金を払ったわけではないので『気にしないで』と言うのもおかしいし-泉夏は曖昧に笑うしかない。
「北村が来れなくて残念だったね、一番会いたがってたのに」
「うん」
泉夏は同意した。
「なんか、かなり印象変わったよね」
「龍?」
「うん、髪の色がさ。あれはかなり驚いた。
「やっと少しは落ち着こうと思ったみたい。ちょっと…いや、かなり遅いけど」
泉夏の言葉に、大樹は爆笑する。
「髪の色を戻して、多少は見た目の怖いのも治まるかなと思っていたけど…まあ、いつもの龍だよ」
「言えるのは、何してもほんとかっこいい。男の目から見てもいつも憧れる」
「本人に言ったら当たり前だって即答されるよ。自分至上主義だから」
あれだけ完璧だったら自分に自信あって当然だよ-声を立てて、大樹は笑う。
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