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桜の季節が巡っても
第8章 忘却の冬
キスって。
もっと、どきどきするんじゃなかった?
もっと、恥ずかしいんじゃなかった?
もっと、嬉しいんじゃなかった?
もっと、切なくなるんじゃなかった?
もっと、もっと、好きになるんじゃなかった?
もっと、もっと、もう一度-そう、求めたくなるんじゃなかった?
私、おかしいのかな。
私、おかしいのかも。
そんな事何一つ思わなかった。
すれば、もしかしたら何かが変わるかも-なんて。
結局何一つ変わらなかった。
何も感じないのなら、しなきゃ良かった。
今更の、後悔。
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