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桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
廊下で。
ベンチで。
桜の木の下で。
カフェテリアで。
いくらでも。
いくらでも-逢いたかった。
どうか今日はあなたに逢えますように-毎日願ってた。
あの頃がただ懐かしい。
昨日はもう-望んでいなかった。
図書館で勉強して、帰る前にショップで新しいネイルを選ぶはずだった。
楽しみにしていた。
結局、昨日は勉強も、新しいネイルを買う事も出来なかった。
あのひとに、逢っただけ。
あのひとに、逢えただけ。
恋の封印はいとも簡単に解かれた。