この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
ページを捲る手。
白く、強く握り締めたら儚く折れてしまいそうな-か細い手首。
その指先には、薄い桜色がそれは綺麗に塗られていて。
次の瞬間はもう指ではなく、そのひとの横顔を見ていた。
肩の辺りでちょうど切り揃えられた、艶やかな黒髪。
その髪の毛が俯き加減の彼女の顔を半分、隠してしまっていた。
何か月振りかにもかかわらず。
昨日はほんの数秒、垣間見るしか叶わなかった。
自分が今日一日待ち続けた彼女かどうかを確信するには、もう少しその髪を-。
そんな切なる心の声が届いたかのように、そのひとは顔を静かに上げた。
その細い指先で、掬った髪を右の耳朶にかけ、ゆっくりとこちらを向いた。
こんなに間近で。
こんなに見つめ合う。
そんな日がまた来るなんて。
込み上げるものに、胸が熱くなる。
/1346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ