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桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
容赦なく私の心を掻き乱して。
あなたは私をどうしたいの。
私、どうしたらいいの。
眉を顰(ひそ)めた泉夏の耳に、秀王の声が届く。
「気がかりが一つだけあって」
-それだけ、教えて欲しい。
悲痛な瞳が泉夏を貫く。
「気がかり…?」
「きっとまた、自惚れてるって言われるだろうけど。自惚れを承知で…訊いてもいい?」
秀王は彼女の肩にかかる髪にそっと、目線を落とした。
「その髪は…俺のせい?」
憂いたような顔。
痛々しいものを見るような目。
明らかに自分自身を悔いてる表情それ。
想定外の質問に泉夏は数秒言葉に詰まったが、すぐに立て直す。
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