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桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
駅の構内に足を踏み入れ、改札口に向かわなきゃいけないのに-出来ない。
どうしても、出来ない。
あなたは困ってる。
きっと凄く、困っている。
私が改札を通らないと、帰れない。
駅の近くにホテルをとっているようだけど-そこに行けない。
明日、あなたは帰ってしまうから。
遠くに、行ってしまうから。
今日はきっともう早く休みたい-そう思っているはず。
それでなくとも今日は朝からずっと、一日中私を待ち続けていてくれた。
きっと来ないと思いながらも、それでも図書館で一日中私を。
この私を。
休ませてあげたい。
だから私が動かないと。
私が未練を絶ち切らないと。
思ってる。
けど。
けど-…。
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