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桜の季節が巡っても
第9章 邂逅の春
夢なのか現実なのか。
嘘なのか真実なのか。
冗談なのか本気なのか。
どう反応して良いのか分からない。
反応の仕方がまるで分からない。
何も言えず、口を閉ざしたまま-ただ俯くしか。
夜風が急に身体を支配し始める。
自らの両手で自らを包み込む。
多分喜んでいいはずなのに-何故か、泣きたくなってくる。
そんな泉夏の姿に、秀王はそろそろ彼女を解放してやる時間(とき)がきたと悟った。
「…彼女はどうか分からないけれど。俺は、逢えて良かった。嬉しかった。昨日久し振りに逢ってみて、改めて自分の気持ちにも気づけた」
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