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第10章 追憶の春

彼に対して今までずっと持ち続けてきた、無条件に好きだという気持ちも。
信じてる思いも。
失くしたくない。
失いたくない。
だから、許した。
これきりにして欲しいから。
なかった事にしたい－今すぐには無理だとしても。

『龍が好き。龍を信じてる』

恥ずかしい思いをしてまでも伝えたのは、彼に分かって欲しかったから。
そして自分自身に言い聞かせる為に。
だから、許そう。
許せると。