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桜の季節が巡っても
第11章 逡巡の春
あの夜以来、ただの一回も連絡すら寄越してこないんだから。
たかだか五軒隣りなのに家を訪ねても来ず-尤も、来たら来たで、居留守を使うけど。
なんなの、もう。
あれから一か月以上も経つのに。
あれからなんの音沙汰もなしって、一体どういう事?
私をあんな風にしたくせに。
私をあんな風にしたままで。
ほんと、なんなの-。
食欲が急激に失せてくる。
箸を動かす手が止まる。
なんで、あんな事するの。
なんで、あんな事したの。
頭を巡るのは、幾度も同じ疑問。
私達、そういう関係じゃなかった。
じゃあどんな関係だったのかと問われれば、上手く説明出来ないけれど。
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