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桜の季節が巡っても
第11章 逡巡の春
「先生も龍も、男ならはっきりしなさいよっ。私をどうしたくて、いつまでも放置してるのよ。私をどう思ってたら、こんなに放っておけるのよ。私を好きか嫌いか、それともどうも思っていないのか、はっきり言ってみなさいよっ。…ふたりして、ちょっとぐらいかっこいいからって、いい気になってんじゃないの。そうやって余裕でいる間に、私だって伊東君の他に、好きだって言ってくれる人のひとりやふたりぐらいいて。気付いたら、奪われてるかもなんだから。遅いんだから。絶対後悔させてやるんだからっ…」
普段なら決して口に出来ないような台詞も、我慢の限界を超えた今ならいとも簡単だった。
勘違いして。
自惚れて。
大胆で。
とてつもなく恥ずかしい-頬を染めて、車窓の外に目をやる。
これから彼に嗤われてしまう事を思うと、恥ずかしさと悔しさに涙が滲んでくる。
唇を噛みどうにか耐えているけれど、いつまでもつだろうか。
そこでふと、気づく。
龍貴の運転するアウディがいつの間にか、近くのコンビニの駐車場に停まっていた事を。
普段なら決して口に出来ないような台詞も、我慢の限界を超えた今ならいとも簡単だった。
勘違いして。
自惚れて。
大胆で。
とてつもなく恥ずかしい-頬を染めて、車窓の外に目をやる。
これから彼に嗤われてしまう事を思うと、恥ずかしさと悔しさに涙が滲んでくる。
唇を噛みどうにか耐えているけれど、いつまでもつだろうか。
そこでふと、気づく。
龍貴の運転するアウディがいつの間にか、近くのコンビニの駐車場に停まっていた事を。

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