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桜の季節が巡っても
第11章 逡巡の春
「二か月間、ラインの一つも寄越さない程の忙しさってどんなよっ。好きな相手なら例えどんなに忙しくても、電話の一本ぐらいはするでしょっ?」
泉夏の言い分に、龍貴は笑った。
「お前にしては的を得た事を言うじゃん」
「ふざけないでっ」
「いや…今までは本当に、そういう感情じゃなかったと思うんだけど。今年の冬辺りからなんとなく、もしかしてって思い始めてさ。先生ももう帰って来ないなら、伊東君にかこつけてキスの一つぐらいしてみたら、はっきりするかなって思ってさ」
そしたらやっぱり、どうやら本当に好きだったみたいで?-龍貴は泉夏を意味あり気に見た。
「でも、どう考えてもまだ先生の事は完全に忘れてなさそうだし。それに万が一、先生がまた帰って来ないとも限らないし?俺が喋った事によってお互いがこじれるのも嫌だし、なら黙っとけばいいやと思って。ただお前から何か訊かれたら、どうしたらいいのかなとは考えていたけれど。訊かれたら答えないわけには勿論いかないけど、訊かれないのならこのままうやむやのままにするのがいいのかなって。…で、結局、幸いな事にお前からも連絡こないし、俺もしたくなかったしで、気付いたら二カ月も経ってたみたいな?」
「…」
泉夏の言い分に、龍貴は笑った。
「お前にしては的を得た事を言うじゃん」
「ふざけないでっ」
「いや…今までは本当に、そういう感情じゃなかったと思うんだけど。今年の冬辺りからなんとなく、もしかしてって思い始めてさ。先生ももう帰って来ないなら、伊東君にかこつけてキスの一つぐらいしてみたら、はっきりするかなって思ってさ」
そしたらやっぱり、どうやら本当に好きだったみたいで?-龍貴は泉夏を意味あり気に見た。
「でも、どう考えてもまだ先生の事は完全に忘れてなさそうだし。それに万が一、先生がまた帰って来ないとも限らないし?俺が喋った事によってお互いがこじれるのも嫌だし、なら黙っとけばいいやと思って。ただお前から何か訊かれたら、どうしたらいいのかなとは考えていたけれど。訊かれたら答えないわけには勿論いかないけど、訊かれないのならこのままうやむやのままにするのがいいのかなって。…で、結局、幸いな事にお前からも連絡こないし、俺もしたくなかったしで、気付いたら二カ月も経ってたみたいな?」
「…」

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