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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
三度目の抱擁は、有無を言わさぬ激しさだった。
抗う事なんて出来ない力強さで、彼に抱き締められる。
その匂い。
その心地良さ。
瞬時に虜になる。
夢にまで見た恋しいひとの腕の中。
あまりの幸せに泣きたくなる。
「誰かを選ぶと言うのなら、俺を選んで欲しい。龍貴でもなく、他の誰でもない-」
-俺ひとりだけを選んで、泉夏。
切々と願われ、泉夏は嬉しさの中でも言葉に詰まる。
「…だって先生が言った」
「確かに言った。あの時は。…でも今は、他の誰も選んで欲しくないと思ってる」
後悔している-秀王は吐露した。
あの夏の日は、もう日本を出る直前で。
あの夏の日は、まさか自分が恋をしているだなんて。
抗う事なんて出来ない力強さで、彼に抱き締められる。
その匂い。
その心地良さ。
瞬時に虜になる。
夢にまで見た恋しいひとの腕の中。
あまりの幸せに泣きたくなる。
「誰かを選ぶと言うのなら、俺を選んで欲しい。龍貴でもなく、他の誰でもない-」
-俺ひとりだけを選んで、泉夏。
切々と願われ、泉夏は嬉しさの中でも言葉に詰まる。
「…だって先生が言った」
「確かに言った。あの時は。…でも今は、他の誰も選んで欲しくないと思ってる」
後悔している-秀王は吐露した。
あの夏の日は、もう日本を出る直前で。
あの夏の日は、まさか自分が恋をしているだなんて。

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