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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
限界だった。
この想いを口にしない事は。
この逸る気持ちを抑える事は-もう絶対、不可能だった。
塞がれる寸前に、泉夏は溢れる想いを伝えた。
「好き。先生が-」
-大好き。
だから、したい。
先生と、したい-。
初めてのキスは軽く、小鳥がついばむかのように。
正に一瞬の出来事だった。
すぐに離れてしまう、唇。
あまりの呆気なさに、思わず縋るように彼を見てしまう。
目が合うと彼は少し困ったように笑ってみせ、すぐに優しく抱き寄せられた。
三年もの想いの果ての口付けは、想像とは全然違った。
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