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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
「泉夏の好きなものひとつ知らない。好きな色も、好きな季節も、好きな本も、好きな食べ物も…こんな状態で好きだなんて、確かにおこがまし過ぎるな」
笑いかけられたが-当然、一緒になって笑う事など出来ない。
強張った表情のまま黙る泉夏に微かに苦笑し、秀王は先を続けた。
「でも、好きになってしまった。何も知らないまま、とても好きになってしまっていた。いつから?何を切っかけに?…多分、最初に出逢った時から。自分でも気付かないまま少しずつ、きっと惹かれ始めていたんだと思う。…勿論、今から思えばだけど。初めは大学の職員と学生で、不適切な関係になろうとは思いもしていなかった。当然、戒めてもいたし」
-でも。
一旦言葉を区切り、秀王は隣りに立つ泉夏の右手をそっと取った。
その指先を彩る薄い桜の色を見つめれば、記憶が甦ってゆく。
「講義の終わりにいつも質問に来るようになって、それから泉夏の顔と名前を覚えた。毎回凄く熱心な学生だなって感心してた。いつしか気にかかる存在になっていた。…この指先も今だから白状するけど-」
-とても綺麗だなって。
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