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第13章 相愛の春

「…生きていけないなんて、大袈裟」
動揺を悟られないよう、かわいげなく呟くのがやっとだった。
泉夏の言葉に、秀王は微かに苦く笑う。
「本当だ。ひとりでいる事にはすっかり慣れていたけれど、誰かが側にいる事はずっと普通じゃなかったから。泉夏がいてくれる喜びを知ってしまった後で、もしもまたひとりになった時は…生きていけないって思うくらい、きっと絶望する」
－そんなのは嫌だから。
髪をそっと撫でられ、目頭が熱くなる。
こんなにも自分を好きでいてくれる。
こんなにも自分を必要としてくれている。
嬉しくて。
嬉しくて。
堪らなかった。