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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
夜の九時近い時刻。
駅裏までの道のりを、ふたり肩を並べて歩く。
遅い時間だったがお互い夕飯がまだだったので、ホテルを出て食事に行く事になった。
「俺がどこのホテルに泊まっているか、どうやって分かったの?」
歩道を進んでいると、彼が訊いてきた。
龍の勘-泉夏は笑いを漏らした。
「先生この間、駅前のホテルだって言ってたでしょ?今日も多分そうかなって。でも駅前ってホテルがいくつもあるからかなり迷ったんだけど、一軒ずつ確認していくしかないなって。で、龍が適当に一番最初に選んだとこがいきなり当たりだった」
「そうなんだ?」
秀王は目を細めた。
「野生の勘…ともまた違うかもだけど。とにかく、昔からなんかそういう運みたいなの持ってるひとだから」
-それにしたって、一発で当てるなんて流石だよね。
泉夏が言えば、秀王は面白そうに喉を鳴らした。
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