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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
もう二度と叶わないはずだった。
その顔を見る事も。
その声を聞く事も。
ましてや、触れるだなんて。
諦めなけばならない。
忘れなければならない。
そういうひとだった。
これまでの自分の生涯の中で、これほどに好きになったひとはいなかった。
なのに、自分のその気持ちに気付いた時には遅過ぎた。
『好きだ』とようやく自覚したのに。
失う事が既に確定していた恋だった。
今更虫が良過ぎると。
今更恥を知れと思ったけれど。
最後にひと目逢いたかった。
せめて最後にひと目見て、それで終わりにしようと。
もっとも。
逢える確率など、限りなくゼロに近かったけれど。
その顔を見る事も。
その声を聞く事も。
ましてや、触れるだなんて。
諦めなけばならない。
忘れなければならない。
そういうひとだった。
これまでの自分の生涯の中で、これほどに好きになったひとはいなかった。
なのに、自分のその気持ちに気付いた時には遅過ぎた。
『好きだ』とようやく自覚したのに。
失う事が既に確定していた恋だった。
今更虫が良過ぎると。
今更恥を知れと思ったけれど。
最後にひと目逢いたかった。
せめて最後にひと目見て、それで終わりにしようと。
もっとも。
逢える確率など、限りなくゼロに近かったけれど。

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