パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第14章 朧夜の春

咄嗟に塞いだ唇。
いきなりの口付けに、彼女は吃驚したようだった。
短い叫びが出そうになったが－その声は激しいキスに掻き消された。
彼女の中に性急に舌を入れれば、驚きは程なく甘やかな吐息へと変化する。
口内に自在に舌を這わせ、それを絡み取れば－くぐもった声が、重なった唇と唇の間から漏れ聞こえた。
自分の腕に縋り、悩ましげな声を上げる泉夏に、秀王の身体は増々昂る。
これ以上の事は出来ない。
良く分かってる。
だからこそ一度繋がった唇を、そう簡単に離す事なんて。
混じり合う唾液の音を立て。
舌と舌を絡ませ合い。
彼女との接吻を果てなく味わう。
息苦しさを覚えるその限界まで。