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桜の季節が巡っても
第14章 朧夜の春
「そろそろ、寝た方がいい」
呟かれ。
幸せに浸っていた泉夏は泣きそうになる。
「…長い間飛行機に乗るんだから、少しでも休んでおかないといけないもんね」
子供のように駄々をこねるわけにはいかない。
もう二十歳(はたち)になった。
おとなの仲間入りをしたのだから。
一晩くらい寝なくて平気。
一晩ずっと話をしていたいのだとは-言えなかった。
淋しさを口にして、困らせてはいけない-自分自身に言い聞かせていると、意外な声がした。
「俺はそれこそ飛行機の中でも寝れるから平気だけど。…泉夏は辛くなるだろうから」
-眠った方がいい。
微笑まれ、たった今の決意はどこへ-泉夏は弾かれたように素早く告げた。
呟かれ。
幸せに浸っていた泉夏は泣きそうになる。
「…長い間飛行機に乗るんだから、少しでも休んでおかないといけないもんね」
子供のように駄々をこねるわけにはいかない。
もう二十歳(はたち)になった。
おとなの仲間入りをしたのだから。
一晩くらい寝なくて平気。
一晩ずっと話をしていたいのだとは-言えなかった。
淋しさを口にして、困らせてはいけない-自分自身に言い聞かせていると、意外な声がした。
「俺はそれこそ飛行機の中でも寝れるから平気だけど。…泉夏は辛くなるだろうから」
-眠った方がいい。
微笑まれ、たった今の決意はどこへ-泉夏は弾かれたように素早く告げた。

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