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The one …ただ一人の…
第9章 退院祝い
どのくらい寝ていたのか。
ゆっくり目を開けると、日向はソファに座って、新聞を読んでいる。

曄良はゆっくり寝返りを打つ。身体は少し楽になっていた。

「んっ、起きた?」
『おはよ……』
「もう、こんにちわだな。」
お昼?……どれだけ寝てたの。私…。
「傷は、大丈夫?痛まない?」
『んっ、、大丈夫。』
「本当に、曄良が可愛い過ぎて、止まらなかった。ムリさせてごめん。」
『……嬉しかったから……』
曄良が照れながら、呟く。
またそうやってすぐ煽るんだな。
無意識だから、タチが悪い。

「歩けそう?」
『んっ、たぶん……』
日向が横に付き、ゆっくりと立ってみる。
脚がワナワナ震えて、しっかり立てない。
日向にしがみつく。
「本当に、本当にごめん。」
申し訳なさそうに、日向はおデコにキスをする。
しょうがないな。
ヒョイと曄良を抱えると、バスルームに向かった。
バスローブを脱がせ、お湯を張った湯船に曄良を入れる。
『…あったかい……』
「気持ちいい?」
『うん』
ゆっくり温まってね。着替え、とってくるね。
「それとも、脚、マッサージしようか?」
『じっ…自分で……やる。』
「そっ、残念」
『…もう……』
そう言って、真っ赤になる。
曄良は、ふと身体に付いた無数のシルシを指でなぞる。
日向に…愛されたシルシ。
頬をピンクに染めながら、顔を湯船につけた。

あっ、もう上がっちゃったの?
お風呂から上がると、日向が残念そうに振り向いた。
「マッサージに行こうかと思ったのに。」
ニヤニヤしながら、日向が見つめる。
『もう、歩けるよ。ほらっ!』
と言って、曄良は歩いて見せる。
が次の瞬間、躓いてしまう。
日向が抱きかかえる。ククっと笑う。
「ドジ…」
日向の唇が曄良に重なる。舌を絡めて放す。そしてもう一度重ねる。そして、深い深いキスをした。
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