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The one …ただ一人の…
第10章 卒業式
『なんなんだ。本当に。でっ、いつの間にあの女子達と仲良くなったんだ?』
日向は1番の疑問を曄良に聞いた。
「沙都子ちゃんの事?」
『オレは名前知らないよ。曄良が庇った奴だろ?』
咲世子の取り巻きだったよな……?

「あの出来事があった後、暫くして、「ライル」に来たの。あの子達。謝りに。6針縫ったって聞いて本当にすみませんでしたって。私はてっきり日向が謝りに行けって言ったのかと思ってた。」

オレは何も。と言うと、そうなんだ。と曄良は笑いながら言った。

「その後、連絡先とか交換して、職場に遊びに来るようになって、就職の相談とかに乗ったりしてたら、なんか仲良くなっちゃって。」

オレは、思わず吹き出した。
えっ?なんで笑うの。もうっ…。と曄良は口を尖らせる。
『曄良の天性の才能だな。敵も味方にしちゃう見たいな所。』
別に、敵じゃないし。と言った。

で、そいつらと卒業記念の写真撮ってたら、次々と一緒に撮って下さい見たいな状況になったらしい。
すっかり生徒と思われていた様だ。
そりゃそうだ。卒業するメンバーと腕組んで、写真撮ってたんだから。
携帯に保存された写真を見せて貰って、思わず納得した。全く、恐ろしいほど違和感が無い。
それに気が付いた男共が、あんな可愛い子居たっけ?って話になり……話すキッカケが欲しかったんだろうな。

「何度も、私生徒じゃありませんって言ったのに。たぶん聞こえてなかったのね。」
『生徒かどうかなんて、彼奴らには関係無いんだよ。』
「ん?」
『曄良を口説きたかったんだよ。彼奴らは!』
オレは曄良を抱きしめ、
『見せびらかせて、なんて思ったけど、失敗だ。心配でしょうがない。他の奴に見せたくない。』
「…日向……」
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