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The one …ただ一人の…
第10章 卒業式
カンパーイ!卒業おめでとう!!

「曄良はココね。」
日向は壁と日向の間に曄良を座らせた。
「なんだよーそんな隅に居たら、曄良さんと話出来ないよぉー」
と文句を言う朋也。

「曄良はオレと話すからいいんだよ。」
「ケチーっ!」
そんな事を言いながら、朋也は他の人達と楽しそうに飲み始めた。

「曄良ちゃんは、いくつ?」
と目の前の女の子達が聞いてくる。
『27歳です。』
「えーっ。見えない!年下かと思った。なんで?なんでそんな肌透明感あるの?何かやってる?」
『特に、普通の化粧水とかで…普通です。普通。』
ねぇ、もっと色々話聞きたい。山野辺!席、替わりなさいよ!
「やだよ。」
と日向は明らかに迷惑そうに言ったが、女子達は、半ば強引に曄良を引っ張り連れて行ってしまう。

「おっ、おいっ!」
「山野辺は何時でも話せるでしょ!そんなケチだと曄良ちゃんに嫌われるからね!」

と女子達に怒られてる。
曄良はクスクス笑った。ここのゼミ、圧倒的に女子が強い…。

曄良は女子トークに華を咲かせ、楽しそうに笑っている。

『山野辺、随分可愛い彼女だな?』

「もう、男どもは見るな!」

『またぁ、そんなケチな事言って。どこで知り合ったんだ?何時からだよ?』

男共は曄良に興味深々だが、日向は教えてやるつもりもない。
全く。卒業式終わったら、曄良とゆっくりしようと思ってたのに。
あーあ、あんな楽しそうに笑っちゃって…

『日向、あれ?曄良さんは?』
朋也が聞くと、日向は不機嫌そうに女子会の輪を指差した。
『あーあ、取られちゃったんだ。』
朋也が、うちの女子パワー凄いからねぇ〜。と言った。

『でも、何だか楽しそうだね。』
「だから、余計に面白くない…」
と日向は言って頭を掻く。
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