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The one …ただ一人の…
第10章 卒業式
暫くすると、曄良は女子の輪を抜けて帰って来た。
「日向?大丈夫?」
日向は凄い酔っていた。暇だから呑むしかなかった。
『曄良っ!こっち来い!』
そう言って腕を掴むと、通路へ曄良を連れて行く。

「日向、酔ってるでしょ?」
『酔ってないっ!』
壁に押しやられ、唇を奪う。
曄良は日向のアルコールの匂いに酔いそうになる。
肩を押すがビクともしない。舌を絡めてキスをしながら、服の上から胸を触られる。

「やっ…やめ…んんっ……」
曄良が涙を流しながら、肩を叩く。
日向が曄良を見る。日向は目が座ってる。

「日向、やだっ、怖いっ…」
そう言って、日向の奥襟をとって、足技をかけると、日向はそのまま倒れた。

『痛っ…………うっ…気持ち悪い。』

日向はトイレに駆け込んだ。
曄良は、店員さんに声をかけると水とオシボリをもらって、日向の後を追う。トイレにしゃがんでる日向の背中をさすりながら、泣いていた。
しばらくすると落ち着いて、曄良から水とオシボリをもらうと口をゆすいだ。
曄良に振り返り、ごめん。と謝る。

『なんで、泣いてる?』

「日向を……投げちゃ……った…から………」

『大丈夫だよ。』

あれは、オレが悪かった…ごめん。
首を振り、しがみつく曄良。
どうした?大丈夫だから。
と曄良を抱きしめる。

「……ら…いで……」

『んっ?』

「嫌いに……なら…ないで……」

『馬鹿だな……こんな事で、嫌いにならないよ。』

「でも……」

『大丈夫、曄良、大好きだよ。』
日向は曄良を抱きしめ、頬にキスをした。

曄良は、思い出していた……。
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