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The one …ただ一人の…
第12章 最強のライバル?
曄良は嬉しそうに笑うと、日向の手を引いて、椅子に座るよう促す。
日向の目の前にお弁当を広げる。
日向の大好物ばかりが並べられた。
『すげぇー。オレの好きな物ばっかり。曄良の手作り?』
恥ずかしそうに頷く。
「いっぱい食べてね。」
『うん。』
日向は涙を流しながら、食べていた。曄良の心が、優しい心が染みてならなかった。
「日向、泣き過ぎ…。」
『うん。でも止まらなくて。』
オレの目の前で、頬杖をついてニコニコしている曄良。
『曄良。オレ、今幸せ…』
「日向、私もだよ。」

お弁当を食べ終わると、2人でしばらく桜の花を見つめていた。
「間に合って良かった。」
『ん?』
「お花見、しようって約束してたから…」
『そうだなぁ』
「ね?気が付いてた?私達出逢ったのも桜の季節だったね。」
『うん……1年経ったんだ。』

日向は、曄良の肩を抱いた。
頬に手をやると、冷たくてビックリした。
『曄良、寒いだろ?ほっぺ、冷たいよ。』
「ん、そうかな?」
日向は、曄良の荷物を持つと、腕を取る。
『曄良、明日は仕事?』
「うん。」
『そっか。じゃムリのないようにするね。』
「えっ?」
『もう、オレ、曄良を我慢できない。』
「日向……」
『行こ?』
真っ赤になって頷くと、手を取って歩き出した。


山下は、ベランダで、曄良の作ってくれた弁当を食べながら眼下の桜を見ていた。
「綺麗ですね…」
これを曄良が日向の為にやったという事に少しヤキモチを妬く。
ふと人影が動いた。
日向と曄良だった。日向は曄良の手を引いて、ホテル内へ入って行こうとしている。

山下は、これからの2人の行動を予測して、ため息を吐いた。
日向の部屋へ行くのだろう。まっそうなる事は予想が付いていて、敢えて今日は帰っていいと言ったんだ。

曄良さんは、どんな声で……。

なっ、なんて事を想像してるんだ。いけない、いけない。
山下は頭を振り、変な妄想をかき消す。
桜の花を見ながら、もう一度ため息を吐いた。
彼女が幸せなら、それで良い。
そう呟いた。
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