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The one …ただ一人の…
第13章 トラウマの元凶
ランチセットを勝手に注文され、向かい合わせに座らされた。
『綺麗になったな?』
「気のせいです。」
『そんなに、頑なになるな。』
そう言って、サンドイッチを摘んでいる。
『ずっと、謝りたかったんだ。曄良…』
「………」
『お前にあんな事言って別れた後、後悔してた。』
今更、何を言われても、もう曄良にはどうでもよかった。
「私は、気にしてませんから。もう、昔の事です。」
そう言って、グラタンを口に運ぶ。
『婚約も破棄したんだ。』
「……」
だから?何?と言いそうになったが辞めた。
『僕は、君とやり直したい。』
曄良は顔を上げた。今なんて?
『結婚を前提に付き合って欲しい。』
曄良は、暫く田城を見つめ、そしてため息をつく。
そして告げた。
「私、婚約者が居ます。」
田城が目を剥いた。
『今、なんて?』
「婚約している彼が居ます。指輪も頂いています。」
そう言って、ネックレスにしてある指輪をみせる。
『なっ…』
田城は曄良のシャツの襟を握った。
指輪を取り出した時に見えた紅い跡。
襟を捲ると、肩から首筋にかけて無数のキスマークがあった。
「そういう事で、田城さん、貴方とはお付き合い出来ません。」
『相手は誰だ!』
唸る様な声で言った。
「関係ありません。」
日向を巻き込みたくなかった。
『僕は、ロンドンにいる間、君をずっと……』
「私は、あの言葉、凄く傷つきました。トラウマになる程。」
曄良の瞳が潤んでいく。
「でも、今の彼は、私が投げても嫌いにならないと言った。例え私に刺されても、嫌いにならないから安心して好きになれって。」
曄良の頬に涙が伝う。
「これまでも、これからも、好きなのはあの人だけです。田城さんの事は好きになりません。」
ガシャンっ
カップがテーブルから落ち、床で割る音がする。
曄良は腕を掴まれ、引き摺られながらトイレの前に連れて来られる。
流石に鍛えたと言うだけあって、曄良の力では反抗出来ない。
壁に押し付けられ、顎を掴まれた。
曄良は田城を睨みつける。
曄良の唇を奪おうとした瞬間。
『綺麗になったな?』
「気のせいです。」
『そんなに、頑なになるな。』
そう言って、サンドイッチを摘んでいる。
『ずっと、謝りたかったんだ。曄良…』
「………」
『お前にあんな事言って別れた後、後悔してた。』
今更、何を言われても、もう曄良にはどうでもよかった。
「私は、気にしてませんから。もう、昔の事です。」
そう言って、グラタンを口に運ぶ。
『婚約も破棄したんだ。』
「……」
だから?何?と言いそうになったが辞めた。
『僕は、君とやり直したい。』
曄良は顔を上げた。今なんて?
『結婚を前提に付き合って欲しい。』
曄良は、暫く田城を見つめ、そしてため息をつく。
そして告げた。
「私、婚約者が居ます。」
田城が目を剥いた。
『今、なんて?』
「婚約している彼が居ます。指輪も頂いています。」
そう言って、ネックレスにしてある指輪をみせる。
『なっ…』
田城は曄良のシャツの襟を握った。
指輪を取り出した時に見えた紅い跡。
襟を捲ると、肩から首筋にかけて無数のキスマークがあった。
「そういう事で、田城さん、貴方とはお付き合い出来ません。」
『相手は誰だ!』
唸る様な声で言った。
「関係ありません。」
日向を巻き込みたくなかった。
『僕は、ロンドンにいる間、君をずっと……』
「私は、あの言葉、凄く傷つきました。トラウマになる程。」
曄良の瞳が潤んでいく。
「でも、今の彼は、私が投げても嫌いにならないと言った。例え私に刺されても、嫌いにならないから安心して好きになれって。」
曄良の頬に涙が伝う。
「これまでも、これからも、好きなのはあの人だけです。田城さんの事は好きになりません。」
ガシャンっ
カップがテーブルから落ち、床で割る音がする。
曄良は腕を掴まれ、引き摺られながらトイレの前に連れて来られる。
流石に鍛えたと言うだけあって、曄良の力では反抗出来ない。
壁に押し付けられ、顎を掴まれた。
曄良は田城を睨みつける。
曄良の唇を奪おうとした瞬間。