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The one …ただ一人の…
第13章 トラウマの元凶
外に出ると、車が停まっていた。山下がドアを開ける。
「乗って下さい。」
山下から、職場には連絡してありますからと言われ、曄良は日向と車に乗った。車が走り出すと、日向は曄良を抱きしめた。

『無事で良かった。』

曄良の頬に涙が溢れた。

「なんで…わかったの……」

『留守電。なんか何時もと違った気がした。』

曄良はビックリした。田城の事は、何も言ってない。
いつも通り、日向に伝言を残したつもりだった。

『結構、わかるんだ。あっ今日は元気だなとか、落ち込んでるのかなとか。でも、今日は明らかに動揺してた。』

そんなに動揺してたの……自分ではあまり感じてなかったのに。

『で、ちょうど外出中だったから、山下に曄良の職場の近くを車で走って貰うようお願いした。そしたら、男に引き摺られて、あの店に入って行く曄良が見えた。』


そう、オレは嫌な予感がしていた。留守電の、少し怯えた震える声。曄良が何かあって、我慢している時、決まって、あの声になる…。

『山下!曄良だ!いたぞ!』
運転する山下は、車のスピードを落とす。
『男?何だアイツ?』
明らかに嫌がる曄良を連れて行ってる様子だ。
『停めろ!』
山下が車を停めると、日向に告げた。

「冷静に行動して下さい。」
わかってる。そう言うと、車を降りて店に入った。
2人の近くに席をとり、会話を聞いていた。
話の流れで、以前曄良が振られて、居酒屋で置き去りにされたと言っていた男だと確信した。

あんな風になってしまうほど曄良に酷い事をしたのに、今、オレの目の前で、結婚を前提に付き合えと言っている。冗談も休み休み言え!
と思っていた。

突然立ち上がると曄良の襟元を掴んで、凄い形相になった。
『あっ、キスマーク…』
昨日、俺が無数に付けたキスマーク。引くよな…。
その時だった。凛とした、曄良の声が響いた。
「これまでも、これからも、好きなのはあの人だけです。田城さんは好きになりません!」

思わず、立ち上がりそうになる。
曄良……抱きしめたい…。
『曄良……っ…』

ガシャン
と言う音と共に、男が立ち上がり、曄良の腕を掴むとトイレの方へ歩いて行く。
『曄良!』

こっそり後を着けると、今まさに唇を奪われそうになっている曄良の姿があった。
次の瞬間、オレは声を発していた。
『オレの女に何してる?』
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