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The one …ただ一人の…
第13章 トラウマの元凶
次の日、山下はウキウキする自分を抑えながら、曄良のお迎えに行った。
カフェBAR「ライル」に着くと、店のドアを開けた。
「おはようございます。」
『あっ山下さん、おはようございます。』
準備万端の曄良の腰に手を回しエスコートすると、カウンターから出てきたマスターに手を叩かれる。
『俺の妹に触るな!』
山下が面食らった顔をしていると、
「お兄ちゃん!もう、止めて!」
と曄良が真っ赤になる。
あーっ、これが妹を溺愛している日向さんの天敵ですね。
「これは、失礼しました。」
と言って、車のドアを開けた。
もちろん助手席に。
『ありがとうございます。』
そう言って、車に乗り込む。
山下はドアを閉めると、曄良の兄に一礼する。
「お預かり致します。」
『手ぇー出すなよ!』
マスターは念を押した。
「承知しております。」
爽やかな笑顔を残し、車は走り去って行った。
曄良とたわいもない会話をしていると、ふと曄良が、山下に言った。
『あの…山下さん。違って居たらごめんなさい。』
「なんでしょうか?」
山下はニコニコしながら、曄良の話を聞いている。
『5年位前に、私ホテルで刺された事があって…その時手当してくれたのは山下さんではないですか?』
山下は思わず、車を停めた。
「曄良さん、覚えてくれていたんですか?」
山下は心臓が飛び出しそうだった。
『やっぱり。山下さんだったんですね。』
「ええ。あの勇敢なお嬢さんが日向さんの婚約者になるとは、夢にも思いませんでした。」
曄良はニッコリ笑った。
『本当に不思議です。』
「でも、今は、曄良さんは日向さんに…山野辺グループの次期社長のお相手にふさわしい方だと思っていますよ。」
『ありがとうございます。』
曄良はそう告げると、透明なフィルムでラッピングされたネクタイを山下に渡した。
「えっ、私にですか?」
『あの時、山下さんご自分のネクタイで止血して下さって。結局汚してしまって、お返し出来なくて、ずっと気になっていたんです。』
ずっと気になって…気にかけてくれていた。山下は心が暖かくなった。
『ブランドは同じにしてあります。デザインは同じものなかったので。』
「素敵です。ありがとうございます。」
あまりの嬉しさに、曄良を抱きしめてしまった。
カフェBAR「ライル」に着くと、店のドアを開けた。
「おはようございます。」
『あっ山下さん、おはようございます。』
準備万端の曄良の腰に手を回しエスコートすると、カウンターから出てきたマスターに手を叩かれる。
『俺の妹に触るな!』
山下が面食らった顔をしていると、
「お兄ちゃん!もう、止めて!」
と曄良が真っ赤になる。
あーっ、これが妹を溺愛している日向さんの天敵ですね。
「これは、失礼しました。」
と言って、車のドアを開けた。
もちろん助手席に。
『ありがとうございます。』
そう言って、車に乗り込む。
山下はドアを閉めると、曄良の兄に一礼する。
「お預かり致します。」
『手ぇー出すなよ!』
マスターは念を押した。
「承知しております。」
爽やかな笑顔を残し、車は走り去って行った。
曄良とたわいもない会話をしていると、ふと曄良が、山下に言った。
『あの…山下さん。違って居たらごめんなさい。』
「なんでしょうか?」
山下はニコニコしながら、曄良の話を聞いている。
『5年位前に、私ホテルで刺された事があって…その時手当してくれたのは山下さんではないですか?』
山下は思わず、車を停めた。
「曄良さん、覚えてくれていたんですか?」
山下は心臓が飛び出しそうだった。
『やっぱり。山下さんだったんですね。』
「ええ。あの勇敢なお嬢さんが日向さんの婚約者になるとは、夢にも思いませんでした。」
曄良はニッコリ笑った。
『本当に不思議です。』
「でも、今は、曄良さんは日向さんに…山野辺グループの次期社長のお相手にふさわしい方だと思っていますよ。」
『ありがとうございます。』
曄良はそう告げると、透明なフィルムでラッピングされたネクタイを山下に渡した。
「えっ、私にですか?」
『あの時、山下さんご自分のネクタイで止血して下さって。結局汚してしまって、お返し出来なくて、ずっと気になっていたんです。』
ずっと気になって…気にかけてくれていた。山下は心が暖かくなった。
『ブランドは同じにしてあります。デザインは同じものなかったので。』
「素敵です。ありがとうございます。」
あまりの嬉しさに、曄良を抱きしめてしまった。