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The one …ただ一人の…
第15章 婚約者
親父からの忌まわしい報告を受けて、3日が過ぎた。
真希から突然、日向のオフィスに電話がかかって来た。
『なんの用だ!』
真希は笑った。
「いいのかしら?そんな冷たい態度を取って?」
『どういう意味だ?』
「私、今、誰といると思う?」
真希は妖艶に笑う。

「早瀬曄良……どう?驚いた?」

電話の向こうで、聞き覚えのある声が聞こえた。
「タクシー、つかまりましたよ。」
その声は、間違いなく曄良の声だった。
「今から、送ってもらうから、エントランスで待ってて。」
『曄良に、手を出すな!』
「それは、貴方次第でしょ?」

そこまで言うと、電話が切れた。
山下が心配そうに見つめる。
『真希が、曄良と一緒にここに向かってる…』
「なんで、曄良さん?」
わからない。
ため息と共に、日向は頭を抱え座り込む。
『山下……頼みがある。』
「なんでしょう?」
『真希の目的がわかるまで、曄良の側に居てくれ。』
「日向さんは?」
『真希に近づいて、アイツの目的を探る。』
「大丈夫ですか?」
『アイツの好きにはさせない……。』
そう言うと、現状を親父に報告するため、電話をかけた。


走っていた曄良の腕を、不意に誰かが掴んだ。
勢い余って、転びそうになると、抱きとめられた。
「大丈夫ですか?」
『あっ、山下さん……』
涙でクシャクシャになった顔を、山下に向けた。
山下は、曄良を抱きしめた。
「大丈夫です。大丈夫ですから!」
曄良は山下の胸で、肩を震わせて泣いた。

喫茶店に入って、曄良は事情を聞いた。
「大丈夫なんですか……?」
『日向は……1人で大丈夫なんですか?』
「社長の秘書の桜井さんが付いてくれています。」
それを聞いて、曄良は少し落ち着いた。
「目的がわかるまでは、曄良さんも気を付けて下さいね。」
『わかりました……』
曄良は、顔色が青ざめていた。
山下は、曄良の肩を抱きしめた。
「大丈夫です。日向さんを信じましょう。」
曄良は、コクリと頷いた。
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