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The one …ただ一人の…
第15章 婚約者
喫茶店を出て、山下と歩いていると、背後に人の気配を感じた。
「曄良さん…」
曄良も気配に気が付いていた。
2人で頷くと、振り返って背後にいた男を投げ飛ばした。
「行きますよ!」
そう言って、走り出そうとした時だった。

パンっ!

一瞬何が起きたかわからなかった。
そのくぐもった音は銃声だった。
山下が崩れ落ちる。
『山下さん!』
「大丈夫、かすっただけですから!」
曄良は、山下を庇うように立った。
「曄良さん、逃げて下さい!」
『嫌です!』
「いいから早く!この怪我ではあなたを守れない!」
『怪我人を置いては行けません!』

1人の男は銃口を曄良に、もう1人は山下に向けている。
『あなた達の目的は、私よね?』
曄良は、睨みつけた。

男は、ニヤニヤ笑って言った。
「話のわかるお嬢ちゃんで、助かるよ。」
男は曄良に近づいて、指にはめていた指輪を外された。
「GPSと男は置いていってもらうぜ!」

山下は目を見開いた。このままでは、曄良さんの居場所を特定出来なくなる。山下は思考を巡らせた。
『手当だけ、させて!』
男は曄良に銃口を突きつけて狙っていた。
曄良はカバンから、タオルを出して、足に巻きつけ強く縛った。
曄良は、山下を見つめて、微笑んだ。
男は、山下の手と足を拘束すると、茂みに投げ込む。
『乱暴にしないで!』
曄良のあまりの気迫に、
「おお、すまない。」
男は思わず謝る。
「曄良さん!」
山下は叫んだ。
『大丈夫。私は大丈夫だから。』
そう言うと、男に担がれ、車へと運ばれていってしまった。
「チクショウ!」
山下は、助けられなかった事に腹を立てた。撃たれた場所が熱い。意識が飛びそうになるのをなんとか耐えていた。


「山下!いるのか?山下!」
どれくらい時間が過ぎたのか、山下は朦朧とする意識の中で日向の声を聞いた。
『ここで…す…』
「山下!大丈夫か?」
『すみません、撃たれてしまって…曄良さんが』
「山下大丈夫だ。喋るな。桜井さん救急車!」
「はい!」
『日向さん…これを…』
山下は、曄良の指輪とメモを日向に渡した。
『指輪は外されてしまいました……このメモの番号の携帯のGPSで追って…下さい。私の予備の携帯です。あまり充電がないので……急いで……』
日向は、山下の肩を掴むと、力を込めた。
「曄良は、絶対に助ける!」
そう言うと、車に走っていった。
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