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The one …ただ一人の…
第15章 婚約者

『曄良?起きて?』
「ん…着いたの?」
『うん。』
曄良がゆっくり目を開けると、そこには見たことのある景色が広がっていた。
「なんで?」
『マスターに聞いたんだ。』
曄良は、瞳が潤んでいく。
『挨拶に来たかったんだ。曄良のお母さんに…』
そう、そこは曄良の母が眠る場所だった。
海が見渡せる、高台の公園墓地に、曄良の母は眠っていた。
『行こ?』
「あ…うん。」
階段を2人は手を繋いで上がっていく。
暫く行くと、目の前に海が見えて来た。
『いい景色だね。』
「母さん、海が好きだったんだ。」
『そうなんだ。』
日向が優しい眼差しを曄良に向ける。
「ここだよ。」
曄良は、持って来た花束をそっと墓前に置いた。
『母さんの好きな花、知ってたの?』
「うちの母親から聞いたんだ。花の話しただろ?」
初めて日向の母の雪乃と会った時、母の好きな花の話をして、曄良は泣いた。雪乃の胸の中で…
「お母さん…覚えててくれたんだ。」
『うちの両親は、曄良の大ファンだからね。』
オレの事より詳しいぞ?と日向は笑った。
「私、幸せだよ。お母さん…」
『色々と苦労かけてるけど、大丈夫かな?』
心配そうに日向は言った。
曄良は、優しく微笑んだ。
「大丈夫。私の選んだ人だもん。良いよね?」
『曄良に、幸せにしてもらいます。』
曄良は、目を丸くして笑った。
「なんか、少し違うよね?」
『そっか、曄良も幸せにします!』
2人で、顔を見合わせて微笑む。
「2人とも、幸せになりますね!お母さん。」
見つめ合うとそっとキスをした。
母の墓前の前で、誓いのキスをした…
不意に日向の携帯が鳴った。画面を見ると、嫌そうな顔になった。
『もしもし?何の用だよ?』
その相手は、山下だった。
「あっ、明日退院になったんで、ご報告を!」
『その報告、要らないから!』
「えっ、あんなに心配してくれてたのに。冷たいなぁ」
フンっ!と言うと電話を切ろうとした。
「じゃ、曄良さんに電話しよう。」
日向は舌打ちした。
『しなくていい!ここにいるから言っておくよ。』
「本当に?ちゃんと報告して下さいよ?」
お前は、本当に面倒な奴だな…。
不思議そうに見つめている曄良に、日向は言った。
『山下が、明日退院だって。』
「えっ、そうなの?良かったね、日向!」
『なんで、オレが喜ぶの?』
日向は不服そうに呟いた。
「ん…着いたの?」
『うん。』
曄良がゆっくり目を開けると、そこには見たことのある景色が広がっていた。
「なんで?」
『マスターに聞いたんだ。』
曄良は、瞳が潤んでいく。
『挨拶に来たかったんだ。曄良のお母さんに…』
そう、そこは曄良の母が眠る場所だった。
海が見渡せる、高台の公園墓地に、曄良の母は眠っていた。
『行こ?』
「あ…うん。」
階段を2人は手を繋いで上がっていく。
暫く行くと、目の前に海が見えて来た。
『いい景色だね。』
「母さん、海が好きだったんだ。」
『そうなんだ。』
日向が優しい眼差しを曄良に向ける。
「ここだよ。」
曄良は、持って来た花束をそっと墓前に置いた。
『母さんの好きな花、知ってたの?』
「うちの母親から聞いたんだ。花の話しただろ?」
初めて日向の母の雪乃と会った時、母の好きな花の話をして、曄良は泣いた。雪乃の胸の中で…
「お母さん…覚えててくれたんだ。」
『うちの両親は、曄良の大ファンだからね。』
オレの事より詳しいぞ?と日向は笑った。
「私、幸せだよ。お母さん…」
『色々と苦労かけてるけど、大丈夫かな?』
心配そうに日向は言った。
曄良は、優しく微笑んだ。
「大丈夫。私の選んだ人だもん。良いよね?」
『曄良に、幸せにしてもらいます。』
曄良は、目を丸くして笑った。
「なんか、少し違うよね?」
『そっか、曄良も幸せにします!』
2人で、顔を見合わせて微笑む。
「2人とも、幸せになりますね!お母さん。」
見つめ合うとそっとキスをした。
母の墓前の前で、誓いのキスをした…
不意に日向の携帯が鳴った。画面を見ると、嫌そうな顔になった。
『もしもし?何の用だよ?』
その相手は、山下だった。
「あっ、明日退院になったんで、ご報告を!」
『その報告、要らないから!』
「えっ、あんなに心配してくれてたのに。冷たいなぁ」
フンっ!と言うと電話を切ろうとした。
「じゃ、曄良さんに電話しよう。」
日向は舌打ちした。
『しなくていい!ここにいるから言っておくよ。』
「本当に?ちゃんと報告して下さいよ?」
お前は、本当に面倒な奴だな…。
不思議そうに見つめている曄良に、日向は言った。
『山下が、明日退院だって。』
「えっ、そうなの?良かったね、日向!」
『なんで、オレが喜ぶの?』
日向は不服そうに呟いた。

