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The one …ただ一人の…
第16章 男のプライドと…
そんな可愛らしい告白、今の今まで忘れていた。
「曄良、結婚の約束忘れちゃってたの?」
『ごめんなさい。』
「とりあえず、少し話しをさせて。」
『あっ、でも。』
日向が、後ろからぎゅーっと抱きついて来る。
行かないで。と耳元で囁く。
「坊やは、曄良を信じてないの?」
『はあ?』
「曄良の自分への気持ちを信じてるなら、僕に曄良との時間をくれても良いんじゃない?」
『くっ…』
上から物を言われ、歯をくいしばる。
「大丈夫、私、行かないから。」
と曄良が言うと。
『行けよ。』
え?曄良は戸惑いの眼差しで日向を見た。
『信じるよ。曄良を。だから行けよ。』
すごく投げやりに日向は言った。
曄良の瞳が潤んでいく。唇を噛み締めた。
「分かった。」
曄良はそう言うと、渉に肩を抱かれて店に入って行った。
「良いんですか?」
山下は日向に食らいついた。
『いいんだよ。』
「日向さん!」
『うるさい!分かってる…』
オレの嫉妬とプライドで、曄良を傷つけた。
くだらない嫉妬だ…
『仕事に戻る!』
山下はため息をつき、店の方へ目をやった。
曄良さんは、きっと分かってる。
日向のくだらない嫉妬だという事を。
ヤケになったりしないで下さいね。曄良さん。
「ごめんね。僕が彼を煽ったりしたから。」
『んっ…大丈夫。』
力無く笑う曄良。
渉は曄良の隣に座りなおし、肩を抱きしめる。
「ずっと、会いたかった。」
そういって、髪に手を入れる。
「綺麗になったね。」
『渉くんも、カッコよくなったよ。』
「そうかな。」
背が伸びただけじゃない。顔立ちはハーフみたい。髪は金髪に近いブラウンに染めて、ウエーブがかかっている。多分身体も鍛え上げている感じがする。小さい頃のいじめられっ子の面影なんてないくらいに…。
『渉くんはいつ帰って来たの?』
月曜日だよ。バタバタしてて、なかなか来られなかったんだ。
と言った。
「あれ?手紙、送ったよね?」
『えっ?』
届いてないの?と不思議そうな顔をしている。
「あの日、アメリカに行ってから、毎月1日に手紙書いて送ったよね?」
ちょ、ちょっと待って…私、知らない。その手紙…。
横でマスターが空を仰いだ。
曄良はその仕草に気がついた。
『まさかっ!お兄ちゃん?』
バツが悪そうな顔をする。
「曄良、結婚の約束忘れちゃってたの?」
『ごめんなさい。』
「とりあえず、少し話しをさせて。」
『あっ、でも。』
日向が、後ろからぎゅーっと抱きついて来る。
行かないで。と耳元で囁く。
「坊やは、曄良を信じてないの?」
『はあ?』
「曄良の自分への気持ちを信じてるなら、僕に曄良との時間をくれても良いんじゃない?」
『くっ…』
上から物を言われ、歯をくいしばる。
「大丈夫、私、行かないから。」
と曄良が言うと。
『行けよ。』
え?曄良は戸惑いの眼差しで日向を見た。
『信じるよ。曄良を。だから行けよ。』
すごく投げやりに日向は言った。
曄良の瞳が潤んでいく。唇を噛み締めた。
「分かった。」
曄良はそう言うと、渉に肩を抱かれて店に入って行った。
「良いんですか?」
山下は日向に食らいついた。
『いいんだよ。』
「日向さん!」
『うるさい!分かってる…』
オレの嫉妬とプライドで、曄良を傷つけた。
くだらない嫉妬だ…
『仕事に戻る!』
山下はため息をつき、店の方へ目をやった。
曄良さんは、きっと分かってる。
日向のくだらない嫉妬だという事を。
ヤケになったりしないで下さいね。曄良さん。
「ごめんね。僕が彼を煽ったりしたから。」
『んっ…大丈夫。』
力無く笑う曄良。
渉は曄良の隣に座りなおし、肩を抱きしめる。
「ずっと、会いたかった。」
そういって、髪に手を入れる。
「綺麗になったね。」
『渉くんも、カッコよくなったよ。』
「そうかな。」
背が伸びただけじゃない。顔立ちはハーフみたい。髪は金髪に近いブラウンに染めて、ウエーブがかかっている。多分身体も鍛え上げている感じがする。小さい頃のいじめられっ子の面影なんてないくらいに…。
『渉くんはいつ帰って来たの?』
月曜日だよ。バタバタしてて、なかなか来られなかったんだ。
と言った。
「あれ?手紙、送ったよね?」
『えっ?』
届いてないの?と不思議そうな顔をしている。
「あの日、アメリカに行ってから、毎月1日に手紙書いて送ったよね?」
ちょ、ちょっと待って…私、知らない。その手紙…。
横でマスターが空を仰いだ。
曄良はその仕草に気がついた。
『まさかっ!お兄ちゃん?』
バツが悪そうな顔をする。